「なんだよ。なんで怪物くんでヤマトが出てくるんだよ」
「実は途中で焦ったのだ」
「なんで?」
「意訳すると以下のような展開になった」
- 圧倒的な敵を前に、王族の女がでていって「やめて、戦争をやめてください。イスカンダリウムが欲しいのなら差し上げます」と言ってしまう
「本当にイスカンダリウムって言ったのかよ」
「言ってない。そこは意訳だ」
「はははは。でもだからといって、新たなる旅立ちじゃないだろ」
「そうだ。別に王族の女は自爆しない」
「そうだよな。普通はそうだろ」
「そう思って油断した」
「は?」
「自爆はしなかったが飛び降りた」
「自滅ってことじゃ同じかよ」
「しかし幸いなことで、その後の展開が違った」
「どう違うんだ?」
「怪物くんでは助けが間に合う」
「ホッ」
「王族の女は死なない。ここが決定的に違う」
「そうだよな」
「そこで思うのだが、実はピンチで我が身を犠牲にして敵に従う女というパターンはけっこう多い」
「クラリスとかだね」
「だがその後で助けられるのだ。たいていはね。我が身を犠牲にして終わってしまう新たなる旅立ちの方がパターン破りなのだ」
「そうか」
「以上、ヤマトファンのための感想・映画『怪物くん』でした」
「お疲れ様」
「……で終わると思った」
「は?」
「気がついたら以下のような展開になっていた」
- 敵の大ボスだったはずの青っぽい肌のハンサムっぽくて主人公より年上っぽい男……と主人公がなぜか並んで共闘してる
「なんちゅうオチじゃ。なんちゅう新たなる旅立ちじゃ」
「まさに怪物ランドのプリンス新たなる旅立ちであった」